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世界のGoToキャンペーン

2020.12.04

日本政府による経済政策として、日本国内における観光などの需要を喚起して、2020年に起きた新型コロナウイルス感染症の流行と、
その流行による緊急事態宣言に伴う外出自粛と休業要請で疲弊した景気・経済を再興させることを目的とした「Go To キャンペーン
を実施しています。

この「Go To キャンペーン」実施には賛否の声もあり、今では第3波の引き金になるのではという懸念もあります。
こうした、需要喚起のキャンペーンが吉とでるか凶となるかは、世界で実施されている需要喚起キャンペーンと比較してみるのが
良いのではないでしょうか?

そこで、今回は過去に実施されたタイ版「Go To トラベル」とイギリス版の「Go To イート」を紹介したいと思います。

タイでもまさにタイ版Go To トラベルキャンペーンと呼べる、We Travel Togetherキャンペーンという政府主導も補助施策が
実施されていました。

・500万件を対象に、宿泊料を40%補助
(最大1日3,000バーツ・約10,000円。1件あたり最大5泊まで)
・航空代金の40%補助
・食事や観光地の入場料に利用できる電子クーポンの提供(1日600バーツ分)

「We Travel Together」には7月18日のスタート以来すでに456万人が登録し、タイのホテル236,000室以上の予約が入り、
10月までに193,000室以上の宿泊費の支払いが行われたと言われております。

この「We Travel Together」キャンペーンの参加資格は、タイ国籍者で必要で、明確な身分証明書と登録日時点で
18歳以上であることが求められます。
また、居住地として登録されている州以外の州での旅行、食事、滞在を選択する必要があります。

そして、助成金は直接申請者に振り込まれる仕組みで、タイの国営銀行が提供している「パオタン」というアプリを
ダウンロードが必須とされています。
また、平日の観光を活性化させるため、タイ政府は平日の電子クーポンの価値を1日600バーツから900バーツ相当に引き上げ、
さらに需要が上がったと言われています。

日本ではこうした需要喚起を行うと、人が移動することで感染者数が増加してしまうのではないかと懸念する声もありますが、
タイでは管理体制もしっかりしています。
「タイ・チャナ」というプラットフォームを使用し、商業施設や観光地である寺院などの施設に入退店管理システムで使用させています。
このシステムは、店舗側が同一時間に受け入れ可能な顧客人数を明記しオンラインで登録することで、人数管理が出来るほか、
「タイ・チャナ」の利用者は訪問先の店舗の混雑状況を事前に知ることができます。
これにより、もし感染者が発生した場合でも追跡もできるので、安心して移動や観光、ショッピングができるようになっています。
タイはコロナウイルス発生から強制的な自粛を余儀なくされていましたが、自粛が解除された期間は当初10月で終了の予定でしたが、
好評につき12月まで延長される模様です。

これによりタイ観光で気候が安定し比較的涼しくて過ごしやすくなる11月以降のシーズン期間にもキャンペーンが利用できるようになります。
こうした需要喚起キャンペーンを国内旅行で実施する一方で、外国人観光客受け入れをいち早く開始したいという考えもあるそうです。
しかし、外国人観光客の受入は感染低リスク国にかぎるので、まだ本格的な受入はできていない模様です。

日本でもキャンペーンだけをはしらせるだけではなく、接触者や旅行者の行動などを把握することが課題としてあがっています。
Go To トラベル事業は、ウィズコロナの時代における「新しい生活様式」に基づく旅のあり方を普及、定着させるものとされていますが、
これからの決断こそが本質を求められると思います。

また、同様にタイでは零細や主に屋台などの飲食店・小売店支援の一貫でタイ政府がお買物の半額負担する
タイ版Go to eatキャンペーンも実施しています。内容は専用のQRコードを読込むと即半額になり、
一人一日最大300バーツ約1,000円購入分の代金の半額をタイ政府が負担してくれます。

イギリスでは8月に「Eat Out to Help Out」というキャンペーンが行われました。日本語で「外食して支援しよう!」という意味で、
イギリスでは3月のロックダウン開始から数カ月の間、長期間にわたって閉鎖は続いていました。また、7月にお店が再開しても、
また再び感染が広がるのではないかという不安が広がり、飲食店の需要は戻ってきませんでした。
そんな状況を踏まえ、イギリス政府は半額を保補助することで、外食の需要回復に務め、結果多くの人がこのEat Out Help Outキャンペーンを利用しました。
また、恩恵を受けたレストランは、前年と比較しても来店者数が10~200%増加したとこともウォーリック大学の調査結果で
発表されていますが、キャンペーン終了後には客足が激減したため、経済効果は長く続かなかったともされており、
こうした需要促進のキャンペーンこそが英国における新型コロナウイルス感染症の第2波の一因となっていたという声もあがっています。

政府が需要を促進することで、飲食店は苦しい経営から一時的には救われるも、キャンペーンが終了すると、
すぐに不景気に陥ってしまうこと、また感染拡大の影響の可能性を指摘されることで、マイナスなイメージがついてしまうことがあります。
日本でも11月にGo To イートのポイント付与が終了となり、3月末で地域限定のプレミアムクーポンも終了する予定です。
その後の景気回復や感染拡大の防止が課題になると考えられます。

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